参道狛犬展~民芸としての狛犬

参道狛犬について様々な角度から調べていく中で、「狛犬」をモチーフにした民芸品や工芸品が昭和期まで数多く流通し民衆に愛されていたことが分かってきました。かつての日本人にとって、狛犬は神社の守護獣に留まらず、郷土玩具として子供たちを護り、置物や調度品として家庭を護る、暮らしと共にある身近な存在だったのです。寺社に在る狛犬を自宅に置くという行為は、「仏像」のような強い信仰心を必要とせず、その姿は犬や猫のように愛らしくもあり、正に「自宅に飾るのにちょうどいい御守り」であったのではないでしょうか。時に家の守護として、時にお土産や玩具として愛されていた民藝狛犬の姿は、現在も沖縄の暮らしに寄り添い続けるシーサーのような存在であったのかもしれません。

「市川ゆかりの作家展~参道狛犬展」では「民藝としての狛犬」と題して、私が蒐集してきた狛犬の民藝品や工芸品を展示しております。展示されている狛犬の多くはかつて安価で流通し日々の暮らしと共にあった日用品であり、無名の職人たちの手仕事から生み出された素晴らしい民藝作品でもあります。明治期から昭和期にかけて造られた民藝としての狛犬の愛らしい姿を通じて、狛犬と共に暮らしていた当時の人々の願いや作り手の想いを是非感じ取ってください。

参道狛犬展にて「私たちの暮らしに寄り添う獅子狛犬 民藝としての狛犬」図録を販売予定です。数量限定となっておりますので売れ切れ次第終了となります(なお販売については変更がございましたらご容赦ください)

参道狛犬展~市川ゆかりの作家展

神社の参道に置かれている狛犬「参道狛犬」の多くは、石工と呼ばれる職人によって造られた彫像です。オーダーメイドの一点ものであり、狛犬の姿は一つとして同じものがありません。2021年7月、市川市文化振興財団主催にて、石工が私たちに遺した参道狛犬という素晴らしい石造工芸の世界をご紹介するパネル展【参道狛犬展】を開催(イベントは終了致しました)

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